ガーデンも花の最盛期を迎えました。
今、
一番きれいにさいている花たちを紹介します。
これらは売店でも販売しています!
(園芸主任/中村)
1 ヒマラヤの青いケシ:メコノプシス・ベトニキフォリア Meconopsis betonicifolia 一般名「ヒマラヤの青いケシ」で有名な本種は、大阪花博で広く知られるようになりました。青紫または紫色の花が咲く姿は、美しく神秘的です。花径5~6cmで、茎頂付近に数個咲きます。「ヒマラヤの青いケシ」の仲間は、
中央アジア、ヒマラヤの高山地帯、ミャンマー北部及び中国横断山脈(青海省、甘粛省、四川省、雲南省)などの標高3500メートル前後の高地原産(
ベトニキフォリアは中国・雲南省や四川省などの高地原産)です。幻想的な空色の花弁は透きとおるほど薄くデリケートで、一度見たら忘れられない美しさは筆舌に表せません。
ヒマラヤの青いケシと称する種類はこのほか、
メコノプシス・ホリデユラ M. horridula (種名は全体に刺が生えているので「恐ろしい」の意)。
メコノプシス・グランデイス M.grandis(種名は「大きな花」の意)などがあります。
小諸は標高が平地より高いのでより色彩が美しく、しかも長期間咲いています。
◎ ロックガーデン東斜面に「メコノプシス・ホリデユラ」と共に開花中です。
2 花御室(ハナオムロ) Delosperma carolinense var. compact ガーデンショップの正面、レンガ階段の隙間にちゃっかり咲いているのがこの花です。メセンといわれるこの仲間は、
南アフリカの原産。夏は涼しい小諸の気候がお気に入り。寒い冬もヘイチャラです。
世間に普及しているデロスペルマ・クーペリー(麗光)レイコウとは別種です。花御室は、株立ちになり根元より短い枝に成長ごとに花をつけサテンのような光沢のある紫桃色の花です。
この仲間の名前、メセンは学名の
メセンブリアンテムムの略で、意味は
「太陽に花」光が当たると一斉に開くことによります。とても丈夫で乾いた石垣の上などが大好きです。皆さんが階段をあがるとき「かわいい~」とおっしゃいます。
3 ペンステモン・オグアツス Penstemon ペンステモンは昔、「ペントステモン」と言っていました。ガーデニング素材としては余り馴染みのない花でしたが。
北アメリカ原産で夏の暑い平地では普及せず涼しい小諸ならではの植物です。小諸では古くからある赤い花のペンステモン・コッキネウスがあちこちでよく見られます
この青紫の花は小さいけれどたくさん咲いて見事で、花期も長く楽しめます。
◎ 宿根草花壇に開花中です。
4 アメリカコマクサ Dicentra eximia 日本の有名な
高山植物のコマクサと同じ仲間で
ケシ科の植物です。
北米東部の原産で、草丈は20〜30センチ。葉は細かいシダ状でコマクサの葉には似てなく、同属エンゴサクに似る。根元から叢生して特徴ある紅紫花をたくさん咲かせます。見かけより丈夫でイメージからは想像できないのが植物の世界です。
◎ ロックガーデンの頂上に開花中です。
5 アウブリエタ・デルトイデア Auburieta deltoidea ほふく性、青紫色花、
ギリシャ原産。ヨーロッパでは普通のガーデン植物ですが 夏暑く蒸れる日本の東海ベルト地帯では生育が難しいので普及しませんでした。夏が涼しい小諸にうってつけの植物です。乾いた斜面に丈が低くカーペット状に広がり春から初夏にわたって咲きつづける小さく愛らしい植物です。故郷が温暖な地中海沿岸の石灰岩地帯なので酸性と高温と多湿を嫌いますから、排水よくして根元に石灰岩を転がしておくのも一法です。
アブラナ科の植物は花弁が四枚なのでとてもチャーミングで、紫色花はパープルカスケードの名前が示すように岸壁から垂れ下がって咲き乱れるので「紫の滝」と言われています。
◎ ロックガーデンの斜面に開花中です。
6 ジギタリス(英名:Fox Glove/フォックス・グローブ 和名:狐の手袋/キツネノテブクロ)Digitalis spp. 本来は二年草ですが、夏が涼しい小諸では根が残って宿根します。海外のガーデン植物にはなくてならなく、皆が好んで植えるのがこのジギタリスです。
なんとも愉快なこの花は整然と縦に並んで花のイメージからして楽しく、見ていると思わずにっこりしてしまいます。
花穂が大きいので雨風に弱く倒れてしまうことが多く、倒れてほっておくと花穂が曲がってしまい美観を損ねるのが困ります。早めに支柱を立ててやりましょう。
◎宿根草花壇に開花中です